このページをご覧のお客様からのお問い合わせがありましたので回答を兼ねて記事にしました。
あの山小屋の混雑なんとかなんないの?
Q1:山登りするのは気持ちいいですが、せっかくの登山を一気に興醒めにするのが、山小屋の混雑です。お盆休みなどの繁忙期、人気エリアの山小屋では、1つの布団を1人で使えないくらいの混雑も珍しくなくて、ひどいと「1枚の布団に数人(!)」といったありえない体験をした人もいるらしいです。
普通の宿泊施設では考えられない混雑の原因として、「遭難防止のために、山小屋は客を断れないから」という(山小屋独特のルール?)もっともらしい説明も聞きます。しかし、少数派ながら予約客限定の山小屋も実在するそうです。山小屋宿泊者はすし詰めを我慢して利用しないとダメなのでしょうか?
Q2:昨今の山人気で、以前は過密とは無縁だった「避難小屋」でも問題が起きているらしく、管理人がいない避難小屋を「営業」山岳ツアーの大グループが占拠して後から来た登山者が入れなかったという苦情が増えているそうです。このように避難小屋を宿代わりに利用してもいいのでしょうか。
いわゆる山小屋にも旅館業法が適用されます
A:山小屋をめぐる諸問題について、自分なりに調査してみました。ちなみに「山小屋」にも旅館業法が適用されます。
1.山小屋の宿泊契約の内容に「快適さ」は含まれない(!)らしいです。
まず、山小屋の『すし詰め状態』をどう考えるかですが、予約制ではない山小屋の場合は、すし詰めになっても文句は言えません。一般的なホテルや旅館のような快適さは、宿泊契約の内容に含まれていないのです。逆に、予約制の山小屋で、すし詰め状態になれば、契約違反・損害賠償の問題が出てきて、山小屋側の責任が問われるでしょう。また、ツアー登山でも、最初からそのような説明のある場合を除き、すし詰め状態になれば、旅行会社に損害賠償責任が生じると考えられます。
2.「遭難防止のために、山小屋は客を断れない」という噂は本当なの?
いいえ、法律でそう決まっているわけではありません。山小屋には旅館業法が適用されますので、正当な理由なしに宿泊を拒否することはできませんが、『満室』であれば、宿泊を拒否する正当な理由になります。(旅館業法や標準宿泊約款にもその旨の記載があります)
3.避難小屋についてはどうなっているの?
本来、避難小屋は緊急時の避難に使うものであって、宿泊小屋ではありません。したがって、ツアー登山者などが宿泊のために『場所とり』をするのは違法なはずです。ところがまぎらわしいことに、現実には、管理人を置いて使用料を徴収する公営の『避難小屋』があります。こういった『避難小屋』は、管理者である自治体等が宿泊用の立派な建物を設けて運営していて、一般登山者の宿泊を容認しています。
じゃあ、避難小屋といってもケースバイケースで、一概には言えないのか?
避難小屋の『場所とり』がダメかどうかは、管理者である自治体等の判断次第となりますが、各自治体の考えはうp主にもよく分かりません。 なお、避難小屋であっても一定規模以上であれば、『宿泊施設』とみなされ、消防法により消火器等の消防設備の設置が必要です。(興味があるお客様は「消防法 宿泊施設」とでも検索してみてください。)さらにシーズン中は従業員などがいて「山小屋」として機能して、シーズンがオフになれば従業員は下山して無人になり「避難小屋」として機能するところも多々あるようでこういうのもまた余計ややこしい事にもなっているようです。。。
∴これって登山ブームの副産物なのでしょうか???本来ならば山にまで法律問題なんか持ち込むたくないですが、地元自治体も含めて、山でのルールやマナーをもう一度、見直す時期が来ているのかもしれないと思います。
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